重要文化財芦舟蒔絵硯箱あしふねまきえすずりばこ

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  • (指定名称)芦舟蒔絵硯箱
  • 伝本阿弥光悦作 (ほんあみこうえつ)
  • 1合
  • 木製漆塗
  • 縦23.6 横22.4 高4.2
  • 江戸時代・17世紀
  • 東京国立博物館
  • H-4234

方形、丸角の浅い被蓋造(かぶせぶたづくり)の箱で、蓋の甲をなだらかに盛り上げている。身の内左に水滴と硯を嵌(は)め、右には懸子(かけご)を収める。表面は全体を黒漆塗として、鉛平文(ひょうもん)・金薄肉(うすにく)高蒔絵・平蒔絵により、蓋表に葦の間に停泊する1艘の小舟、空に群れ飛ぶ千鳥を描いている。
この葦と小舟の図様は、西本願寺本『三十六人歌集』「重之集」の料紙にみられ、『玉葉和歌集』巻第6、前大僧正道玄(どうげん)「蜑小舟(あまおぶね)さしてみちくる夕汐のいやましになく友千鳥かな」を表す歌絵ともいわれる。さらに、謡曲「善知鳥(うとう)」にみる陸奥外の浜の情景という解釈もある。
箱の形体や千鳥の描写に若干古様な趣が認められ、光悦の蒔絵の中では、やや簡素な作風を示している。

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