重要文化財古寺春雲図こじしゅんうんず

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  • 1幅
  • 室町時代・15世紀
  • 京都国立博物館
  • A甲813

九州・大分の万寿寺に住む温崗なる老僧に贈るべく制作されたもので、図上には東福寺の竹庵大縁など八禅僧の賛が施されている。本図のテーマは「古寺の春雲」。むろん賛の内容もこれに基づいているが、そこにうたわれた「春雲」は単なる情景ではなく、温崗の今の境遇や徳の高さをそれに見立てていることがわかる。画の方もそのテーマを忠実にあらわしているので、本図が綿密な構想のもとに生まれたことが推察される。画風は深く温かみのある墨調を特色とするが、こうした特徴は東福寺の画僧・明兆(1352~1431)のそれと気脈を通わせるものがある。

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