画像一覧
華やかな着物の舞妓が窓辺に腰掛けている。なにか用事があったのであろうか、息せき切って駆けよる少女のほうをふりむいている。窓の外には、涼しげな鴨川の川面が広がる。この作品は、近代日本を代表する洋画家・黒田清輝が、9年間にわたるフランス留学から帰国した直後の明治26年に、京都を旅したときに描いたものである。黒田は古都の町並みと舞妓のかれんな美しさに久しぶりに接し、「祇園町の舞妓杯に至つては天下無類ですねへ、実に綺麗なものだと思ひました」と新鮮な驚きを伝えている。黒田清輝の明るく光にあふれた作品は、明治時代の人々に衝撃を与えた。
100326
0
0