重要文化財人形装飾付異形注口土器ひとがたそうしょくつきいけいちゅうこうどき

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  • (指定名称)人形装飾付異形注口土器
  • 北海道北斗市茂辺地出土
  • 1個
  • 高17.9口径9.9胴径15.1底径3.5
  • 縄文時代・前2000~前1000年
  • 東京国立博物館
  • J-37440~J-37450

 縄文時代の土器は一般的に抽象的な文様で飾られるが、稀に顔や全身を表現する例がある。本例のような土器の器面に描かれる「ひとがた」の装飾を人形(ひとがた)装飾ないし人体文(じんたいもん)と呼ぶ。人形装飾は、縄文時代中期中頃の関東地方や中部地方、後期後葉の北海道から関東地方でみられ、後者は注口土器や壺形土器に描かれる例が多い。
 本例は口縁部から頸部が二つに枝分かれし、中空円環をなす胴部に注口と小さな高台がつけられる。この頸部と胴部の独特の形態から異形注口土器と呼ばれる。さらに頸部が二つに枝分かれする部分に顔が、頸部から胴部かけて全身が表現されている。装飾は磨消縄文手法(すりけしじょうもんしゅほう)で入組文が描かれ、三叉文や貼り瘤が加えられ量感にあふれている。
 本例は独特の形をした注口土器というだけでなく、顔や全身を表現する人形装飾がつくことからも、縄文人の並々ならぬ想いが込められた儀礼用の土器である。

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