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千手観音は、千の手と千の眼を持ち、生きとし生けるものを救う。11の小面と阿弥陀如来の化仏(けぶつ)を頭上に置き、杖(錫杖 しゃくじょう)と武器(三鈷戟 さんこげき)を持ち、掌に眼があるとされる大きな42の手と、無数の小さい手を描く。両脇に天女姿の功徳天(吉祥天)と婆藪仙(ばすうせん)が従う三尊形式である。婆藪仙は観音に仕えるバラモン出身の仙人。
観音と功徳天のからだは細い墨線の上から朱でぼかしをかけ、観音の着衣には金箔や金泥とともに、金箔をきわめて細く切った截金(きりかね)で一面に文様をほどこしている。精緻な截金の表現は平安時代の仏画の中でも特に美しい。光背にも箔や彩色の文様を散らしている。
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