重要文化財蜀江錦綾幡しょっこうきんあやばん

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  • (指定名称)小幡残欠 蜀江錦
  • 2旒
  • 絹製
  • (1)全長119.0 幅14.0 (2)全長109.5 幅15.0
  • 飛鳥時代・7世紀
  • 東京国立博物館
  • N-26

幡は仏事の荘厳具(しょうごんぐ)として、また延命や追善供養などに用いられた旗である。形は人体をかたどったごとく、頭にあたる幡頭(ばんとう)、胴に相当する幡身(ばんしん)、足となる幡足(ばんそく)で形づくられている。法隆寺の幡の特徴は、幡頭部を帯紐で三角状につくり、幡身の内部の坪と呼ばれる部分を縦長の長方形とし、この周りに一条または二条の縁(ふち)をめぐらし、幡足は帯状に裁断した長い裂を少しずつずらして垂下している。一条縁の幡は、坪を区切っている坪堺と縁が交わるところに帯状の手をつけていることが多い。二条縁の幡では、多くの場合、金銅製の丸形金具を飾っている。
 法隆寺幡の名称は、幡身の坪裂に用いられている裂の種類によってつけられている。蜀江錦綾幡は、幡身第一坪目に蜀江錦、以下の坪に綾を用いていることから、このように呼ばれている。二旒ともほぼ同じ裂(きれ)、同様なつくりになる。この幡を大形にした蜀江錦大幡が奈良・法隆寺に伝えられており、もとはこれらが一具になっていたものと推定される。すなわち、この大幡が天蓋中央に飾られた灌頂幡(かんじょうばん)で、蜀江錦綾幡が天蓋(てんがい)の四隅に飾られた小幡とみなされる。 

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