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『和歌体十種』は、10世紀の末から11世紀初めに成立した歌論書。平安時代中期の歌人・歌学者で「三十六歌仙」の1人、壬生忠岑(みぶのただみね)の著作とされることから「忠岑十体」の別名ももつが、今日では疑問視されている。
本書は、その現存最古の写本で、藍と紫の飛雲(とびくも)を大ぶりにすき込んだ薄手の鳥の子紙に、和歌を10体に分類して、それぞれに5首の例歌を仮名で添え、漢文で説明を加えたものである。
筆者については、巻末に江戸時代の古筆鑑定家、古筆了佐(こひつりょうさ)が藤原俊成(ふじわらのとしなり)の祖父の藤原忠家(ただいえ)とするが、確証はない。
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