重要文化財短刀 銘相州住秋広/永和二 附 金梨地桐紋蒔絵鞘短刀拵たんとう めいそうしゅうじゅうあきひろ えいわに つけたりきんなしじきりもんまきえたんとうこしらえ

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  • 1口
  • 全長37.3cm 刃長28.8cm 茎長8.6cm 元幅2.59cm 元重0.56cm 拵全長44.3cm
  • 南北朝時代・14世紀
  • 京都国立博物館
  • E甲460

 国光に始まり正宗、貞宗と続いた相州鍛冶の正統の一人が秋広である。秋広は広光と並んで南北朝期の相州鍛冶を代表する刀工であり、この世代の作品から相州様式の代名詞である皆焼が隆盛する。本品は有銘の短刀では秋広唯一の重要文化財で、やや肌立った杢目(もくめ)混じりの板目肌に地錵(じにえ)がついて地景(ちけい)が入り、刃中には明瞭な金筋や稲妻が認められる。差表(さしおもて)に利剣と蓮台を、差裏(さしうら)にカーンの梵字と二筋樋を掻く点も相州様式の伝統に則っている。一方で、それまでの相州鍛冶と違い、秋広には年紀のある作品が多く、現存する年紀作の上限は延文二年(1357年)から下限は明徳三年(1392年)であり、35年の長きにわたって彼が活動していたことが知られる。秋広の紀年銘の特徴として、通常は本品の「永和二」銘のように「元号+年数」であらわすが、延文や貞治など彼の初期作には「年月日」を加える作例がある。

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