国宝万葉集巻第九残巻(藍紙本)まんようしゅうまきだい9ざんかん(らんしぼん)

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  • 藤原伊房 (ふじわらこれふさ)
  • 1巻
  • 彩箋墨書
  • 縦26.7cm 長1133.0cm
  • 平安時代・11世紀
  • 京都国立博物館
  • B甲597

藍で染めた紙の繊維を漉きかけにし、銀の砂子を撒いた料紙に『万葉集』巻第9を書写したもので、「藍紙本」と通称される。「桂宮本」「金沢本」「元暦校本」「天治本」とともに、平安時代の書写にかかる五大万葉集の一つである。
5箇所にわたる脱落があるものの、ほかに確認されている巻第10、および巻第18の遺品がいずれも断簡であることを考えれば、巻子の姿をのこす唯一の「藍紙本」として貴重このうえない。末尾の奥書から、わずか4日で巻第9の一巻を書写し終えたことが知られる。筆者は従来、藤原公任(966~1041)とされていたが、平安時代の仮名には珍しく、鋭くて強い筆勢から、藤原行成の孫にあたる伊房(1030~96)とみなされるにいたった。陸奥会津藩主・松平家の旧蔵品。

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