重要文化財観音菩薩立像かんのんぼさつりゅうぞう

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  • (指定名称)銅造観音菩薩立像(法隆寺献納)
  • 1躯
  • 銅造鋳造鍍金
  • 像高28.8
  • 飛鳥時代・7世紀
  • 東京国立博物館
  • N-170

面長のやや古風な顔立ちをした像で、宝冠も完全な三面頭飾にはなっておらず、7世紀前半の作例に多くみられる三山冠の趣が残っている。しかし、目を二重瞼とする点や流れるように垂下する天衣の柔らかな表情には7世紀後半の作例に通ずる感覚もあり、過渡的な時期の作例とも考えられる。
本体・台座蓮肉部を含むほぼ一鋳で造るが、左手首より先は別鋳とする。胸部まで内部を中空とし、銅厚はやや厚手で、全体にほぼ均一である。腹部と背面の腰部下方にそれぞれ方形の型持を設けている。鬆はほぼ全体に認められるが、鋳上がりは良好である。なお、現在はその大半を欠失するが、当初、蓮肉下縁部は筒状に長く、そこに切れ込みを入れて七方に枘状のものを造り出していた形跡がある。蓮肉部とそれ以下の台座とを固定するための仕様とみられるが、他にあまり類例がないものである。宝冠の裏面や頭髪部を除くほぼ全面に鍍金が残り、彩色は、頭髪に群青、唇に朱(あるいはベンガラか)、眉、目の輪郭、黒目に墨描きが認められる。現在の台座反花以下は木造漆箔で江戸時代の後補である。

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