重要文化財宮ノ洲古墳出土品みやのすこふんしゅつどひん

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  • (指定名称)周防国下松市宮洲古墳出土鏡
  • 山口県下松市 宮ノ洲古墳出土
  • 古墳時代・4世紀
  • 東京国立博物館
  • J-37435~J-37438

 宮ノ洲古墳は瀬戸内海に面した徳山湾に突出した砂州の基部に築かれた古墳で、円墳とされているが規模は不明である。享和3年(1803)に遺物が出土したが、埋め戻され、明治25年(1892)に再発掘された。主体部は竪穴式石室と考えられている。現在残っているのは鏡4面であるが、ほかに鉄刀や土師器壺などが出土したらしい。鏡はいずれも青銅製鋳造で、3面が中国製、1面が日本製である。中国鏡は、三角縁盤龍鏡、三角縁二神二獣鏡、三角縁同向式神獣鏡で、亀裂や欠損はあるものの、いずれも文様は精緻で鋳上がりも優れている。日本製の鏡は小型の内行花文鏡で銹化が著しい。学術調査を経た資料ではないのが惜しまれるが、中国地方における古墳時代前期の資料として貴重である。中国製の高価な鏡を3面も持つことの出来た被葬者は、瀬戸内海の海上交通にかかわりを持ち、畿内の勢力と密接な関係を持った豪族であったと考えられる。

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