重要文化財金銅八仏種子五鈷鈴こんどうはちぶつしゅじごこれい

画像を保存する

image 全画面表示
  • (指定名称)金銅五鈷鈴
  • 1口
  • 銅製鍍金
  • 高18.2 鈴口径7.6
  • 平安時代・12世紀
  • 東京国立博物館
  • E-19828

密教の修法(しゅほう)(祈禱の儀式)で、諸尊(さまざまな如来・菩薩・明王・天)を目覚めさせ、喜ばせるために鳴らす仏具を金剛鈴(こんごうれい)という。
五鈷鈴は尖った先端が5つに分かれた金剛鈴のことである。
(先端が1つのものを独鈷鈴<とっこれい>、3つのものを三鈷鈴と呼ぶ。このほか先端が宝珠の形の宝珠<ほうじゅ>鈴、塔の形をつける塔鈴などの種類がある)
この八仏種子五鈷鈴の側面には金剛界四仏(こんごうかいしぶつ)(宝生<ほうしょう>如来・阿閦<あしゅく>如来・阿弥陀如来・不空成就<ふくうじょうじゅ>如来)と胎蔵界(たいぞうかい)四仏(無量寿<むりょうじゅ>如来・天鼓雷音<てんくらいおん>如来・開敷華王<かいふけおう>如来・宝幢<ほうとう>如来)の八仏を象徴する種子(如来などを梵字で表したもの)を円内に表している。種子のまわりは小さな点を連ねた魚々子(ななこ)地とし、円と円の間に半分に切った花菱文をあしらい、その上下には渦巻文、連珠(れんじゅ)文、宝相華(ほうそうげ)文の3段の文様を帯状にめぐらせている。また、鈴の下端には蓮弁を表すほか、表面全体を文様で埋め尽くしている。優美な姿と豊かで精緻(せいち)な装飾とがよく調和した格調高い作品である。

部分一覧

読み込み中