国宝灌頂幡かんじょうばん

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  • (指定名称)金銅灌頂幡
  • 1具
  • 銅製透彫鍍金
  • 全長約510.0 天蓋方65.0 幡身74.5~82.6 幅32.7~33.5
  • 飛鳥時代・7世紀
  • 東京国立博物館
  • N-58

 幡(ばん)は寺院の堂の内外を飾る荘厳具(しょうごんぐ)の一つで、古代の幡の多くは染織品であった。この灌頂幡は「法隆寺献納宝物」を代表する名品で、見事な透彫で如来や天人、雲、唐草文などを表した金銅板(銅板に金メッキ)を組み合わせて構成されている。最上部をおおう天蓋と、その中央に吊り下げた大幡からなる。天蓋は4枚の金銅板を傘形に組み合わせて周縁に蛇舌(じゃぜつ)と呼ばれる飾金具をめぐらし、その下に多くの垂飾を垂らす。大幡は天蓋中央から吊り下げ、6枚からなる。それぞれを蝶番(ちょうつがい)で連ね、当初は下端に染織幡と同じく布製の幡足が垂れていたと推定され、その全長は10メートルにおよぶ。
 天蓋、大幡ともに、雲の中で楽器を奏で、華や香などを献じる天人が配されるほか、大幡には周縁に忍冬唐草文の帯が透彫でめぐらされている。また大幡最上部の1枚には、如来とその両脇に従う菩薩の如来三尊像が透彫されている。
 灌頂とは頭に水を注ぎ、仏の弟子としてある位に昇ったことを証する儀式。灌頂幡には、灌頂を受けることと同様な功徳があると考えられたのではないか、とされている。

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