国宝刀 無銘正宗(名物観世正宗)かたな むめいまさむね めいぶつかんぜまさむね

画像を保存する

image 全画面表示
  • (指定名称)刀 無銘正宗(名物観世正宗)
  • 相州正宗 (そうしゅうまさむね)
  • 1口
  • 刃長64.4
  • 鎌倉時代・14世紀
  • 東京国立博物館
  • F-19916

 作者の正宗は五郎入道と称し、鎌倉時代末期に活躍した相模国(神奈川県)の刀工。藤三郎行光の子とも養子ともいい、名工として有名である。
 身幅はやや細いが、地鉄(じがね)のよさ、沸(にえ)と呼ばれる粒子のきらめきが無類である。もとの茎(なかご)をきり詰めて寸法を短くしており、茎には梵字などの彫物(ほりもの)が残っている。
 能楽の観世家が所持していたことから「観世正宗(かんぜまさむね)」と称されるが、江戸時代の刀剣書『享保名物帳』によれば、徳川家康が観世家から召し上げて秀忠に与え、以後家臣との間で拝領と献上を繰り返したという。明治維新後、徳川家から有栖川宮に献上、同家を継いだ高松宮家に伝えられた。

部分一覧

読み込み中