金大受は南宋時代の寧波(ニンポー)(浙江省)を代表する仏画師。本図は各幅に「大宋明州車橋西、金大受筆」の落款があり、寧波が明州と呼ばれていた慶元元年(1195)以前の制作であり、現存する浙江仏画の中で古い時期の作例として知られている。金大受の描く羅漢は、抑制された筆で的確に形態をとらえ、その賦彩も中間色を巧みに用いて諧調を整えて自然な表現となっており、寧波で描かれた羅漢図の中でも品格の高いものとなっている。摂州多田院の什宝として伝来した。原邦造旧蔵。現在、16幅中、東京国立博物館の10幅と群馬県立近代美術館の1幅が確認できるが、他の5幅は海外に流失したと思われ所在不明である。
100836
0
0