トゥルファンのアスターナ地区の墳墓は地下に設けられ、斜めに墓道を降りていくと墓室があり、規模の大きな場合はこれに副室が設けられている。墓室の内部は絵画で飾られ、俑や染織品など様々な副葬品が納められた。葬送の方法は土葬で、乾燥した気候のためにミイラ化した被葬者がこれまでに発見されている。
茶色の縁枠で囲まれた画面には、樹下で頭巾を外そうとしている男と、その男の袍の左袖を両手で持つ若い侍者が描かれている。この絵の裏面には、トゥルファンの柳中県高寧郡の開元4年(716)の戸籍が貼り付けられていた。戸籍の保管期間は決まっており、この文書が廃棄されたと考えられる730年頃以降の作とわかる。