重要文化財観音菩薩立像かんのんぼさつりゅうぞう

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  • (指定名称)銅造観音菩薩立像(法隆寺献納)
  • 1躯
  • 銅造鋳造鍍金
  • 像高31.6
  • 飛鳥時代・7世紀
  • 東京国立博物館
  • N-184

満面に笑みをたたえ、腰を右にひねって立つ。蓮肉上で一度たるみをつけて裙裾の下を通り垂下する天衣、乳頭を表わす胸など、顔の表情を含めて、像全体に自然な表現が意図されている。特に、抑蓮を銅板切り抜きで別につくり、上下2枚を重ねて蓮肉下の角枘に挿し込んでいる点などは、そうした造形意識をよく示している。
本体部は蓮肉及びその下の角枘までを含むほぼ一鋳、ムクで造るが、正面頭飾は別鋳とする。台脚部は全容一鋳で造り、天板の中心部に本体部を固定する枘穴、その後方に光背支柱用の枘穴をそれぞれ設ける。鬆は台脚部には少ないが、本体部では全体にみられ、特に角枘には大きなものがある。各装身具の連珠に魚々子タガネを用い、裙、天衣、腰帯の縁や衣文の稜、化仏の光背、蓮肉、台脚部の各縁に特殊タガネで複連点文を施す。頭飾の裏面や後頭部の大半を除くほぼ全面に鍍金が残り、彩色は頭髪に群青、唇に朱(あるいはベンガラか)、眉、目の輪郭、黒目、口ひげに墨描き、白目に白色系の顔料が認められる。また、銅板による別製の抑蓮は各蓮弁に縁取りと複弁が線刻されており、表面には鍍金を施してある(鍍金が裏面まで及ぶかは現状不明)。

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