重要文化財観音菩薩立像かんのんぼさつりゅうぞう

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  • (指定名称)銅造観音菩薩立像(法隆寺献納)
  • 1躯
  • 銅造鋳造鍍金
  • 像高38.0
  • 飛鳥時代・7世紀
  • 東京国立博物館
  • N-177

全体に大ぶりの像で、張りのある頬やその顔立ちにN-144「山田殿像」銘阿弥陀三尊像の中尊に近い感覚がみられ、体部正面に垂下する瓔珞の構成も同三尊像の脇侍のものに通じる。
本体・台座仰蓮部及びその下の枘状の造り出しを含んで一鋳で造り、両肩下がり辺まで内部を中空とする。中空部を設けた個所の銅厚はやや厚手で、全体にはほぼ均一である。胸部、両膝の天衣交叉部、背面の腰下辺にそれぞれ型持を設ける(下半身に設けた型持がほぼ前後対応する位置にあることからすれば、胸部に対応する背面肩下がり辺にも型持を設けている可能性もあるが、現状では確認できない)。なお、本像の場合、型持跡を通例のように嵌金で象嵌するのではなく、鋳懸けている点は注目される。鬆は頸部の右側や仰蓮部に大きなものがみられる。各装身具の連珠に魚々子タガネを使用し、裙と天衣の縁や衣文の稜、蓮肉、蓮弁の縁にそれぞれ特殊タガネで複連点文を施すが、それほど緊密なものではない。鍍金は、頭飾の裏面、頭髪部、仰蓮下の枘状の造り出しを除くほぼ全面に残るが、彩色は頭髪に群青が認められるのみである。なお、仰蓮下の台座は木造で、後補のものである。

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