青木香は漆皮箱に収められたまま伝存している。青木香は現在すべて虫損し破砕して、小片約130片、他に残芥を残すのみで、その材質も明らかにしえない。
漆皮箱は方形削面取り、現在蓋を欠失している。側面に草花文の銀泥絵の痕跡があり、紐縁には四弁花文を描き、内面には四周に輪宝雲文金襴張の枠を取付けている。
青木香についてに陶弘景(456~536)の『神農本草経集注』に、「木香即青木香也 永昌(河南省洛陽)不復貢 今皆従外国舶上来、仍云出大秦国 今皆用合香 不入薬用 當以崑崙来者為佳 出西胡来者不善 葉似羊蹄而長大 花如菊花其實黄黒 所在亦有之」とみえている。