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檜材の一木を刳って作ったいわゆる細腰鼓であり、前者と同じく口縁と半球状の中央に二重、腰部の中央に三重の節を造り出す。口縁から半球状の中央節までの部分に霊芝雲、半球状中央節の内側の部分には宝相華文、中央の細腰部には蓮弁文をそれぞれ繧繝彩色によって描く。また口縁の区画内には、各1個の花文を毛彫した六葉座に釣鐶金具を打っている。なお海には「鵤東院二」の墨書銘がみられ、二鼓(にのつづみ)を意味するものとおもわれる。
総体いかにも量感に溢れてふくよかな形姿を示し、彩色文様には剥落が多いがのびやかで、その表現にはN-107鼓胴とともに奈良朝特有の時代感覚を認めることができる。
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