重要文化財法華経法師功徳品第十九ほけきょうほっしくどくほんだいじゅうきゅう

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  • (指定名称)金銀箔散料紙墨書法華経法師功徳品
  • 1巻
  • 彩箋墨書
  • 25.0×330.0
  • 平安時代・12世紀
  • 東京国立博物館
  • B-2500

法華経は妙法蓮華経、妙法華経ともいい8巻28品からなる。わが国の仏教では、聖徳太子が『法華義疏』を著わし、最澄が本経に基づいた天台宗をひろめて以来、「法華経」は日本仏教の根幹を形成し、とくに日蓮によって日蓮宗が開かれて、「法華経」は諸経の王として信仰されるに至った。
本経は、法華経28品を1巻1品ずつ計28巻に書写した一品経(いっぽんぎょう)のうち法師功徳品第19を巧みな筆致で書写した1巻である。あかね色の隈(くま)ぼかしをほどこした料紙に、金・銀の切箔・芒(のげ)を散らしている。界は金の截金(きりかね)・天地には金・銀の切箔・砂子を散らし、小花唐草文を摺り出すなど、さまざまな装飾の限りを尽くした華麗なものであり、当時の能書の手にかかるものと考えられる。いわゆる「一品経」の遺品としては「久能寺経」や「平家納経」などが知られているが、本巻もまた、代表的なものといえる鳥取の大雲院に伝来した経巻である。

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