重要文化財舎利啓白文しゃりけいびゃくもん

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  • (指定名称)大休正念墨蹟
  • 大休正念筆 (だいきゅうしょうねん)
  • 1巻
  • 紙本墨書
  • 42.3×566.2
  • 鎌倉時代・建治4年(1278)
  • 東京国立博物館
  • B-2449

大休正念(だいきゅうしょうねん)(1215-89)は、中国宋代の臨済宗の僧。径山(きんざん)の石渓心月(せっけいしんげつ)に参禅する。文永6年(1269)に執権北条時宗の招きをうけ渡来した。建長寺の住持蘭渓道隆(らんけいどうりゅう)に迎えられたが、また時宗の帰依をも受けた。鎌倉の諸寺に歴住し、わが国の禅宗興隆に大きな役割を果たした。諡号(しごう)は仏源禅師で、『大休正念語録』を残した。
この書状は、源実朝(1192-1219)が中国の能仁寺から招請した仏舎利を称賛する内容で、舎利は仏そのものでありその供養は仏道成就に至らしめるものと説き、仏舎利の功徳について述べている。なお、当時円覚寺住持であった大休正念が北条貞時に熱心に建議し、この仏舎利を安置するため、円覚寺境内に舎利殿が建立された。東京国立博物館所蔵の大休70歳のときの書状(重要文化財)が筆力を内に込めた厳しい書に変化しているのにたいして本書は、宋風の楷書の典型とされ、張即之(ちょうそくし)(1186-1263)の影響が指摘される。整然とした清雅な書風は、舎利への純粋な思いに裏打ちされたものといえる。

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