重要文化財不空三蔵表制集ふくうさんぞうひょうせいしゅう

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  • (指定名称)不空三蔵表制集巻第一
  • 1巻
  • 紙本墨書
  • 28.4×616.6
  • 平安時代・9世紀
  • 東京国立博物館
  • B-2394

「不空三蔵表制集」は唐代の僧・不空三蔵(705~774)の文集で、弟子円照(719~800)が8世紀末ころに全6巻としてまとめたものである。本巻は内題にみられる通り巻第1で、本文をほぼ完存している。ただし第2紙・第3紙の間に1紙分を欠く。巻頭下に黒印「石山寺」が捺されており、もと石山寺に伝来したことが知られる。現在も巻第3が石山寺に所蔵されている。
構成は、不空から皇帝に差し出された表(后妃・官人・僧尼が皇帝に差し出す文書)、不空の奏状に応えて皇帝が出した制(表にたいして出された詔)を中心に祭文や碑銘など133首を編年体に収めている。「不空三蔵表制集」は、「弘法大師請来目録」に「大唐大興善寺大弁正大広智三蔵表答碑六巻」と見え、わが国にも早くからその存在が知られていた。東京国立博物館のほか石山寺、東大寺東南院、東寺観智院、高山寺などに所在する。
真言宗第六祖である不空の事跡、また空海に多大な影響を与えた恵果をはじめとする弟子らの行状が知られるのみならず、唐代における真言密教の実態を知りうる史料として貴重である。
1957.06.18(昭和32.06.18)指定。

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