元弘元年八月、後醍醐天皇が神器を奉じて笠置山に臨幸せんとしたその日、花園天皇(1297~1348)が弟の尊円親王にあてた消息。洞院公敏・実世がそれに供奉したらしいことなどを驚きと不安の気持ちとともに記す。「只惘然」とあるように、使者からつぎつぎともたらされる情報に当惑していたことをよく示し、元弘の変の緊張した世上をいまに伝える。文面にはその驚愕ぶりが溢れているが、乱れることのない筆運びにはただただ驚かされる。
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元弘元年八月、後醍醐天皇が神器を奉じて笠置山に臨幸せんとしたその日、花園天皇(1297~1348)が弟の尊円親王にあてた消息。洞院公敏・実世がそれに供奉したらしいことなどを驚きと不安の気持ちとともに記す。「只惘然」とあるように、使者からつぎつぎともたらされる情報に当惑していたことをよく示し、元弘の変の緊張した世上をいまに伝える。文面にはその驚愕ぶりが溢れているが、乱れることのない筆運びにはただただ驚かされる。
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