雪舟(1420~1506?)は相国寺の周文の弟子であったが、周文の師にあたる如拙をも深く敬慕し、その遺作である牧牛図(のちに弟子の雲峰等悦に授与)を愛蔵していたことが知られる。はじめ雪舟が「拙宗」と名乗ったのも、そうした気持ちの表れなのであろう。 本図は、如拙も得意とした梁楷(中国南宋時代の宮廷画家)のスタイルにならったもので、簡潔な筆遣いをもって、石を羊に変える黄初平(中国晋時代の仙人)の姿が躍動的に捉えられている。もとは12点ワンセットとして制作されたが、現在は本図のほか夏珪.玉澗.李唐にならった5点が遺る。
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