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IIIF Manifest
N-237と同じく未完成の面である。この顔面は、ただ眼に穴を開け、口を切抜いた程度で、鼻も瞼もこれから彫り上げるべく墨の当りを残している。それなのに耳は前記面と反対に、大体仕上げられている。どちらを先に手につけるかは、作者それぞれによってくせがあったのだろう。右耳の上部に墨で女性の顔が描かれ、即興的な描写であるが、なかなか美事な筆の冴えを示している。奈良時代の工人たちの楽書は建物とか、仏像の台座裏などに多く残っているが、女性を描いたものが多い。
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