酔胡王主従は伎楽の最後から登場する。この面の厳しい顔立ちは、確かに堂々たる王者の風格をよく示している。崑崙についで大きな面であるが、その半分は大きな冠帽が占めている。桐の一木で面部を耳の上部お飾りまで作り、これに帽の前面を作ってゆるい蒲鉾形の桐材を矧ぎ、帽の側面は麻布を張って、木屎(こくそ)をかけた乾漆仕上げとしている。この帽の下部の三角形の冠と側面部との肉付けは、木屎(こくそ)の盛り上げによっている。帽部正面には黄色い虎皮の彩色をし、側面には朱地に花形の繧繝文様を施し、山形冠には金箔を施している。
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