金錍はもともとインドの眼病の治療用具であり、患者の眼膜を除去するのに用いられたが、密教では衆生の無智の膜をとり、仏心眼を開かしめる意味で法具となり、主に灌頂の儀式や仏像の開眼供養などに使用された形式は独鈷杵の先に珠形を付けるが、これは鈷に深い匙面をとること、把の鬼目が三段に付けられるなど、金錍では最も古様を示す。また法隆寺に伝わる和製密教法具では三鈷杵とともに最も古く、平安時代における密教の浸透を法具の面からも窺わせる。
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金錍はもともとインドの眼病の治療用具であり、患者の眼膜を除去するのに用いられたが、密教では衆生の無智の膜をとり、仏心眼を開かしめる意味で法具となり、主に灌頂の儀式や仏像の開眼供養などに使用された形式は独鈷杵の先に珠形を付けるが、これは鈷に深い匙面をとること、把の鬼目が三段に付けられるなど、金錍では最も古様を示す。また法隆寺に伝わる和製密教法具では三鈷杵とともに最も古く、平安時代における密教の浸透を法具の面からも窺わせる。
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