- (指定名称)智・感・情
- (智・感・情 のうち)
- 黒田清輝筆 (くろだせいき)
- 1面
- カンヴァス・油彩
- 180.6×99.8
- 明治32年(1899)
- 東京国立博物館
- ku-a55
向かって右から「智」、「感」、「情」の3面から構成されたこの作品は、明治30年(1897)の第2回白馬会展に出品された。その当時の黒田清輝の談話をもとにした新聞記事には、「絵画に印象派理想派写実派の三者あること端なくも氏の駆りて印象即ち『感』なるものを理想即ち『智』なるものを写実即ち『情』なるものを何者にも妨げられざる裸体画よりて円満に表示せんと企てしまたるならんか、日本人を『モデル』にすたる裸体画は之を以て嚆矢となす。」と画家の創意が解説されている。留学時代の「朝妝(ちょうしょう)」(1893年、1945年に焼失)公開につづく黒田の裸体画として当時は物議をかもした。その後、サインを入れられて、1900年のパリ万国博覧会に“Etudes Femmes”(「女性習作」の意味)と改題して出品、銀賞を受賞した。日本人をモデルにし、しかもそのプロポーションは西洋画を意識して理想化され、一方で背景を金地にした画家の意図や、モデルのポーズとそれによって表現しようとした思想、哲学との関連が、現在でも論議されるところである。
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