重要文化財聖母像(親指のマリア)せいぼぞう おやゆびのまりあ

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  • 銅板油絵
  • 額縁共長26.7×幅21.5
  • 17世紀後期
  • 東京国立博物館
  • C-698

キリシタン禁圧のさなか、宝永5年(1708)に鹿児島の屋久島に着いた、イタリア人神父ジョヴァンニ・シドッチ(1667~1714)は、漂着の翌日に捕らえられて江戸に護送され、新井白石の取調べを受けた後、江戸キリシタン屋敷で没した。この聖母像は彼が携行していたものといわれる。図はイタリア・フィレンツェで活躍し、感傷的な画風で人気のあったカルロ・ドルチ(1616~1686)の作品に酷似している。聖母は天上の愛の象徴である藍色の上衣と、悲しみの象徴である紫の下衣をまとっており、頬にわずかな慈悲の涙をうかべている。また、衣の縁から親指のみをあらわすことから「親指のマリア」と呼ばれ、親しまれている。

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