高さ1.7mの台座に腰かける翁と老女。翁は両足をそろえて前にたらし靴のようなものをはき、その両手は胸元にそろえる。老女は翁におぶさるようにすがり、両手は翁の二の腕に置き右手の方を見る。縦縞の裳をはき、裸足のままである。翁の踝(くるぶし)付近から口元まで小孔が貫通するが、胸元で分岐し、1つは老女の口元で開口する。2人とも下がり気味の大きな目と鈎鼻が特徴的であり、西域の人を彷彿とさせる。書紀にいう都貨羅人であろうか。この異国の人の足元にひかれた水は、2人の口元へと導かれ、噴水としての機能をはたしたものであり、7世紀の貴人達の饗宴に花をそえ、驚かせたものであろう。この西域の人を写した石像に、7世紀代の東西の交流をみることができる。