重要文化財兀庵普寧墨跡(与東巌慧安尺牘 庚午仲春)ごったんふねいぼくせき(よとうがんえあんせきとく こうごちゅうじゅん)

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  • (指定名称)兀庵普寧墨蹟
  • 兀庵普寧筆 (ごったんふねい)
  • 1幅
  • 蝋牋 墨書 掛幅
  • 縦30.9 横58.6
  • 中国・南宋時代・咸淳6年(1270)
  • 奈良国立博物館
  • 1119(書74 B)

 兀庵普寧(1197~1276)が、中国へ帰ってから後の咸淳6年(1270)仲春に、京都賀茂の正伝寺の東巌慧安へ宛てた書状。
 料紙には蓮池模様のある蝋牋を用いており、戊辰年(1268)に双林寺に至った本覚上人(東巌慧安の弟子)より東巌慧安の書状を受け取ったことへの御礼や、近況を述べ、本覚上人が日本へ戻るに際してこれを書き記した旨を記している。文中には、二上殿(二条良実)や南殿(北条時輔)など旧知の人々へ祝意を伝えてほしいとあり、かつての交遊関係を示して注目される。
 兀庵普寧は無準師範の弟子。文応元年(1260)に来朝し、北条時頼の要請を受けて建長寺に住したが、時頼の死後は理解者を得られず、文永2年(1265)に帰国した。この墨跡は兀庵普寧の帰国後の動勢を伝えたもので、日中禅林交流史上に価値が高い。

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