重要文化財能面 翁のうめん おきな

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  • 木造、彩色
  • 20×16.4(諦楽舎旧蔵)
  • 江戸時代・17世紀
  • 東京国立博物館
  • C-1528

シテ方の能の宗家、奈良の金春家(こんぱるけ)に伝来した能面47面。
明治初年のころ金春家を離れ、装束・小道具と共に春日神社に一時寄託されていたが、のち、奈良在住の有志10人ほどがその散逸を憂えて諦楽舎(ていらくしゃ)という会を作り、護ってきた。能面は造形的な魅力に富み、その製作時期は室町時代に遡る優品が多い。
金春座は南北朝時代に奈良春日大社の若宮祭、興福寺の薪猿楽を勤めていた大和猿楽四座<結崎座(観世座)・外山座(宝生座)・坂戸座(金剛座)・円満井座(金春座)>のうちの一座。本来は、祭りに際して五穀豊穣などを祈願し、祝う翁猿楽を演じるための座として起こったが、翁猿楽と能を演じる役者が分化し、大和猿楽四座いずれも能役者が占めた。
観阿弥、世阿弥の観世座に対し、金春禅竹(1405‐70?)、とその孫、金春禅鳳(1454‐1532?)らが金春座を支えた。もっとも栄えたのは安土桃山時代。豊臣秀吉のお抱え役者、金春安照(1549-1621)が活躍した。

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