重要文化財和泉黄金塚古墳出土品いずみこがねづかこふんしゅつどひん

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  • (指定名称)和泉黄金塚古憤出土品
  • 大阪府和泉市上代町 和泉黄金塚古墳出土
  • 一括
  • 古墳時代・4世紀
  • 東京国立博物館
  • J-36931

  和泉黄金塚古墳は大阪府和泉市上代町に位置し、信太山丘陵の先端に築かれた前方後円墳である。墳丘長約94m、後円部径約60m、前方部幅約42mを測る。周囲には盾形の周溝が巡り、これを含めると全長は115mとなる。墳丘斜面には葺石がみられ、円筒埴輪が巡らされている。また、くびれ部付近からは、家形埴輪、器財埴輪がまとまって出土している。
 1950~1951年に行なわれた発掘調査で、後円部から3基の粘土槨(中央槨・東槨・西槨)が検出され、中央槨には割竹形木棺、東槨と西槨には箱形木棺が納められていた。3基の粘土槨の棺内・棺外からは多量の遺物が出土している。中央槨の棺内からは斜縁二神二獣鏡、勾玉・棗玉・管玉、石釧、車輪石などが、棺外からは景初三年銘画文帯同向式神獣鏡、鉄刀、鉄剣、鉄斧、鉄鎌などが出土した。東槨からは棺内から三角縁盤龍鏡、画文帯神獣鏡(2面)、甲冑、勾玉・棗玉・管玉・小玉、水晶製大型切子玉、鍬形石などが、棺外からは鉄槍、鉄矛、鉄鏃などが出土した。西槨からは、画文帯同向式神獣鏡、勾玉・棗玉・管玉、鉄刀、鉄剣、鉄鏃、銅鏃などが出土した。これら多量の出土品のなかでも、中央槨の棺外から出土した画文帯同向式神獣鏡には、中国・魏の「景初三年」(239)の銘があり、『魏志倭人伝』に記載された、邪馬台国の女王卑弥呼が魏から贈られた銅鏡百枚との関連が注目される。
 和泉黄金塚古墳の出土品は、畿内地域における古墳の副葬品の典型的なセットを示すものとして貴重であり、古墳時代の研究に重要な位置を占めるものである。

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