国宝古文尚書巻第六こぶんしょうしょかんだいろく

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  • 紙本墨書
  • 縦26.3 全長328.0
  • 唐時代・7世紀
  • 東京国立博物館

 『尚書』は、尭舜から秦の穆公(ぼくこう)までの歴史を記した経典『書経』のこと。孔子の編纂と伝えられる。
 秦の焚書のときに隠された『尚書』が、漢時代に壁中から探し出された。これは、当時の人にも読めるように、漢時代の通行文字(今文 きんぶん)で書き改めたので、「今文尚書」と呼ばれる。一方、漢の景帝のとき、魯の恭王が孔子の旧宅の壁中から得たものは、古い文字で書かれていたので、「古文尚書」といわれている。
 7紙を継ぎ、各紙に21行の墨の罫線を引き、注は2行に書写している。巻首と巻末に欠けた部分があるが、本文の大部分を残している。唐時代初期の書写と考えられるもので、文中に平安時代中期の朱と墨の訓読の書き入れがあって、当時の尚書研究の内容を伝えている。
 本巻の紙背には、東洋文庫、宮内庁に伝わるものとともに、鎌倉時代の学者、高辻長成(たかつじながなり)が著した年号に関する研究書『元秘抄』(げんぴしょう)書写されている。

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