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歌合(うたあわせ)は左右1首ずつ組み合わせた短歌の優劣を競う行事で、『寛平御時后宮歌合』は、宇多天皇の代(887-899)に皇太后が主催し、春、夏、秋、冬、恋の各20番、計200首からなる歌合であった。この写本は近衛家に伝来した「十巻本歌合」の一部で、その巻第四に含まれているので「十巻本」とも呼ばれる。「十巻本歌合」は平安時代中期に関白藤原頼通が編纂を企画したが、途中で中止となり、46の歌合を10巻にまとめた草稿本のままで伝わった。
1首2行書きで、書風は筆力にあふれて格調が高い。筆者は「十巻本歌合」の現存する43の歌合のうち、36の歌合の書写・校訂もしており、歌合編纂の中心的存在であったと考えられている。宗尊(むねたか)親王(1242-1274)の筆と伝えられる。
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