重要文化財延長四年二月十三日民部省符えんちょう4ねん2がつ13にちみんぶしょうふ

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  • (指定名称)民部省符〈延長四年二月十三日〉
  • 1幅
  • 紙本墨書 掛幅
  • 縦29.7 横45.1
  • 平安時代・延長4年
  • 奈良国立博物館
  • 1465(書162)

 この文書は、田地や戸籍などの民政一般を管轄する民部省から大和国司に宛てて出された、延長四年(926)二月十三日の日付を持つ符である。その内容は、元慶四年(880)以降、政府によって没収されていた弘福寺の寺田(大和国高市郡内に所在)を、寺に返還することを認めるもの。符とは、律令で定められた公文書の形式のひとつで、上位機関から下位機関への下達文書として用いられた。
 この文書は、三通の別の文書を引用して書かれている。これらを詳しく見ると、弘福寺がまず大和国司に宛てて寺田の返還を求める文書を送り、それを受けて大和国司は延長元年閏四月廿九日付の上申文書で政府の最高機関である太政官に弘福寺の要求を通達、その後、太政官での審議を経て、延長三年閏十二月廿六日付の太政官符で審議結果が民部省に下達され、民部省はその内容をこの文書で大和国に伝えたことが分かる。この文書から知られるのは以上だが、恐らくこの後に大和国司から弘福寺に宛てた文書も作成されたのであろう。このように、律令制下において土地に関する文書がどのように発給・受給されたのか、その具体例を示すものとして古文書学上で重要である。更に、これ自体が現存最古の民部省符の正文であることも、この文書の価値を一層高めている。
 本紙の形状に目を向けると、左右と天地が若干切り詰められたと察せられる。本文は一筆であるが、官人の署名のみ自署。字面には「天皇御璽」の印文を持つ朱印が十一顆捺されており、当時の「天皇御璽」印を持つ数少ない遺例としても貴重である。
 釈文は『平安遺文』(二二三号)などに収められる。教王護国寺旧蔵。

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