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- (指定名称)白氏詩巻
- 藤原行成筆 (ふじわらのこうぜい)
- 1巻
- 彩箋墨書
- 25.4×265.2
- 平安時代・寛仁2年(1018)
- 東京国立博物館
- B-2533
中国・唐時代中期の詩人、白居易(白楽天 772-846)の『白氏文集(はくしもんじゅう)』は、平安時代の貴族に愛好された詩文集である。藤原行成(972-1027)は、小野道風(おののみちかぜ)、藤原佐理(すけまさ)とともに「三跡(さんせき)」と讃えられた能書で、和様の書を完成した。のちに和様の主流となる世尊寺家(せそんじけ)の始祖に位置する。
これは、巻第65のうち8篇の詩を薄茶、赤紫の染紙を含む9枚継ぎの巻物に草書を交じえた行書体で書かれ、洗練されて格調高い書風である。行成47歳の筆跡。巻末に行成自身の奥書と、保延6年(1140)に世尊寺家第5代の藤原定信がこれを購入したと記す跋(ばつ)がある。
紙背の継ぎ目には伏見天皇の花押(かおう)があり、天皇遺愛の品であった。
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