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- (指定名称)円珍贈法印大和尚位並智証大師諡号勅書
- 小野道風筆 (おののとうふう)
- 1巻
- 彩箋墨書
- 28.7×156.9
- 平安時代・延長5年(927)
- 東京国立博物館
- B-2405
延暦寺第10世の座主、増命(ぞうみょう)が亡くなると、朝廷は増命に「静観(じょうかん)」の諡(おくりな)を贈ったが、同時に増命の師、円珍を僧の最高位である「法印大和尚位(ほういんだいかしょうい)」に昇格させ、「智証大師(ちしょうだいし)」の諡を贈った。円珍没後36年目の延長5年(927)のことである。
醍醐天皇の命を伝えるこの勅書は、藤原博文が文を起こし、小野道風(おののみちかぜ 894-966)が清書したと記録されている。薄い縹(はなだ)色に染めた紙に薄墨の罫線を引き、量感のある重厚な和様で、気迫に満ちた筆運びを示している。和様書道の創始とされる道風は当時34歳。勅書や位記(位階を授けるときに与える文書)を書く中務省の少内記の職にあった。「天皇御璽(ぎょじ)」の朱文方印が13か所、裏面2か所に押してある。
円珍(814-891)は延暦寺第5世の座主、天台宗寺門派の祖で、園城(おんじょう)寺(三井寺)を再興した。
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