重要文化財木造観音菩薩立像もくぞうかんのんぼさつりゅうぞう

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  • 1軀
  • 木造 彩色 彫眼
  • 像高160.9
  • 平安時代・10世紀
  • 九州国立博物館
  • C-7

 大ぶりの螺髻(らほつ)を結い上げ、天冠台(てんかんだい)を戴(いただ)く。条帛(じょうはく)・裙(くん)・腰布を着け、天衣(てんね)を懸ける。左手は屈臂(くっぴ)して後補(こうほ)の水瓶を執り、右手は垂下し、掌を前に向けて第三指をやや曲げる。腰をわずかに左に捻り、右膝をわずかに弛めて蓮華座に立つ。頭躰幹部(とうたいかんぶ)をカヤの一材から彫成する。内刳(うちぐり)は施さない。台座上面に丸枘(ほぞ)を設け、像を枘立てとする。像表面は古色に覆われているが、すべて後補と思われる。面部は一層削り直されているようである。
 躰軀(たいく)は肩が張り、全体に厚みがあるがっしりとした体型に造られる。また着衣には鎬(しのぎ)を立てた翻波式(ほんぱしき)衣文が刻まれ、平安時代初期彫像の特色が認められるが、彫り口は浅く、10世紀前半に入ってからの制作と思われる。本像の伝来については不詳である。
 附属する光背は、挙身光と光脚をともなうヒノキ材彩色の二重円光で、文様はすべて彩色により表される、いわゆる板光背である。9世紀に製作された奈良県葛城市・当麻寺(たいまでら)伝来の板光背群と共通点が多いが、周縁部の頭光部と身光部が一体化するなどより進んだ段階の形式を示していると思われる。ただし、本体と光背は一具のものではない。いずれも10世紀の典型的作例である。

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