重要文化財骨蔵器こつぞうき

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  • 土製 須恵質 焼成 素焼 薬壷形
  • 高21.3 口径13.9
  • 奈良時代・和銅7年(716)
  • 奈良国立博物館
  • 722(考207)

 昭和33年(1958)に奈良盆地の東北山麓、通称西山の尾根斜面から発見されたもので、骨蔵器の中に墓誌と遺骨を納め、その上には須恵器〈すえき〉の大甕〈おおがめ〉を被せて周りには礫石混りの小封土を盛っていたという。墓誌は銀製短冊形の小延板で表裏に36文字の墓誌銘をタガネで深く刻む。それによると、被葬者は、大楢君素止奈〈おおならのきみそとな〉の孫、佐井寺僧の道薬で、和銅7年(714)2月26日に死去したことが知られる。佐井寺、道薬、大楢、素止奈はともに史書にはみえないが、佐井寺については大和郡山市長安寺町の佐比寺(西寺)にあてるほか、桜井市大三輪町の大神神社東北の狭井神社の近くにあった狭井寺とする考えもある。大楢君は出土地付近の櫟本〈いちのもと〉町から楢町に居住していた渡来系の氏族とみられ、現在も樽神社を祀る。なお、骨蔵器は奈良時代に特有の薬壺〈やっこ〉形の須恵器で、肩の左右に把手をつけ、全面に朱を塗るが、特に内面に厚く残っている。大阪府南部の陶邑〈すえむら〉古窯の焼成品である。

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