国宝碣石調幽蘭第五けっせきちょうゆうらんだいご

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  • (指定名称)碣石調幽蘭第五
  • 1巻
  • 紙本墨書
  • 縦27.4全長423.1
  • 唐時代・7~8世紀
  • 東京国立博物館
  • TB-1393

 中国・魏晋南北朝時代、梁末期の弾琴の名手、丘公(きゅうこう)の作と伝える『琴譜(きんぷ)』を抜書きしたもの(鈔本)。丘公は字(あざな)を明といい、会稽(浙江省)の人。詳細は不明であるが、楚調(そちょう)を得意とし、とくに「幽蘭」の曲においては精絶であったという。隋の開皇10年(590)、97歳で没した。
 琴の曲「幽蘭」の弾奏法を論じ、末尾には「楚調」「千金調(せんきんちょう)」「胡笳(こか)」以下「楚妃歎(そひたん)」まで、59種の曲名を列挙している。
 唐代初期の楷書の整った力強い筆致で1行20字に書かれ、巻首の補筆部分も、唐代の人物の書写と見られる。
 幕末・明治の医者森立之(もりりっし)の『経籍訪古志』(けいせきほうこし)、清代の黎庶昌(れいしょしょう)の『古逸叢書』(こいつそうしょ)に収録されて広く知られるようになった。京都・西賀茂の神光院に伝来した。

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